掃除しやすい工場=生産性UP?
工場における清掃しやすい環境の大切さ
お客様の製品品質や安全性向上には、工場内の掃除が不可欠です。
ただし、製造現場の清掃が難しい環境では、工場倉庫の業務管理に関連する5Sに対する消極的な姿勢が見受けられることがあります。
5Sとは…
1.整理…必要なモノと不要モノとを分けて、不要なモノを処分すること
2.整頓…必要なモノを誰でもすぐに取り出せるようにすること
3.清掃…ゴミ・チリ・ホコリや汚れのないピカピカな状態を維持する活動
4.清潔…整理・整頓・清掃の3Sの活動を標準化し維持できている状態
5.躾…整理・整頓・清掃の3Sの活動が習慣化し、全員がしっかりルールが当たり前に守られている状態
(引用元:5Sの清掃とは?|5S活動ラボ)
この記事では、清掃が難しい工場倉庫で発生する問題と、それを改善するためのリフォームについて話し合いたいと思います。
清掃しづらい工場に生じる問題
製造現場の従業員は、通常、制限された労働時間内に清掃作業を実施する必要があります。
しかしながら、清掃が難しい工場で働いている場合、
何らかの理由から、・特定のエリアを綺麗にするために時間を長く取るか、
・その時間内では十分な清潔さが確保できないと感じ、汚れやホコリが放置されることがよくあります。
従業員が前者のアプローチを取る場合、工場内の環境は比較的清潔に保たれるかもしれません。
しかし、彼らが残業手当を請求できない場合、
労働問題としてサービス残業が発生していると言えるかもしれません。
清掃しないとどうなる?
清掃が難しい工場であっても、5Sの原則を厳格に遵守しなければなりません。
毎日掃除が不完全に終わることで、床と壁の境界などに汚れが蓄積し、
カビなどの発生リスクが高まる可能性があります。
また、蓄積した汚れを一度に取り除こうとする場合、
時間だけでなく特別な洗剤などの購入費用もかかることがあります。
このような状況が工場倉庫内で発生すると、
逆に会社や従業員に負担をかける悪循環に陥る可能性が高まります。
清掃しやすい工場つくり
▶工場倉庫の改装工事には、簡単に清掃できる環境を整えるためのさまざまな工程が多く含まれています。
R構造を取り入れる
R構造とは、建物のデザインにおいて壁と天井、壁と床の接合部に丸みを持たせた形状を指します。
この「R」は「Round(丸い)」の頭文字を表します。
(出典:建設業者の防虫対策 | 鵬図商事株式会社 (hohto.co.jp))
工場だけでなく、建物の壁と天井、壁と床の接合部は、ゴミやホコリがたまりやすい箇所です。
こうした領域はブラシやスポンジで掃除するのが難しく、比較的清掃が難しい場所と言えます。
(出典:建設業者の防虫対策 | 鵬図商事株式会社 (hohto.co.jp))
R構造を採用した建物では、これらの接合部が丸みを帯びており、
清掃道具が効果的に届くため、清掃作業が容易になります。
工場を建設または改装する際には、R構造の採用を考慮することをおすすめします。
モルタルという塗料を塗り上げてR構造にすることもできる為、
大きな改修工事ではなく、床の塗替え時に採用することが可能です。
ひび割れに強い高密度のコンクリートにする
多くの工場では床にコンクリートを使用しています。
コンクリートは非常に丈夫ですが、経年劣化によりひび割れが生じることがあります。
ひび割れによってできる隙間は微細ですが、
これにより汚れの蓄積や細菌の繁殖が起こる可能性があり、この問題を放置すべきではありません。
特に食品工場では、ひび割れから発生した細菌が
食品中毒の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
高密度のコンクリートを採用することで、ひび割れのリスクを軽減し、定期的な補修作業の手間を減らすことができます。
排水枡(ます)を設置する
排水桝とは、水中に含まれるゴミや汚れを沈殿させ、水のみを排出する設備を指します。
カゴが備えられた排水桝の場合、カゴを引き上げて汚れを取り除くだけで簡単に清掃できます。
一方、排水溝は排水桝と同様に汚水を受け止め、
汚れをフィルターのように除去してから水を排出します。
しかし、より広範囲で汚水を受け止めるため、清掃が手間がかかり、不快な臭いが発生しやすいです。
工場内で、清掃に時間がかかる箇所の一つが水回りです。
したがって、水回りの清掃時間を短縮したい場合は、排水桝(ます)を設置することが効果的です。
▶工事をしなくても清掃をしやすい環境つくりができます。
空間を確保した配置を心掛ける
壁と床の接合部と同様に、床と物の接合部もゴミがたまりやすく、清掃が難しい箇所です。
物と床の隙間や、物同士の配置が狭い場合、掃除用具を使うのが難しく、清掃を行うためには物を移動させる必要があります。
一般的に、ブラシやモップを挿入して清掃できる隙間はおおよそ15cmであり、
人が立ち入って清掃できるスペースは約60cmと言われています。
清掃用具や人のアクセスを確保するために、物を配置する際に余裕をもつことが重要です。
スペースを確保することが難しい場合、物や壁の隙間を完全に埋めたり、
キャスターを取り付けて物を移動しやすくするなどの方法を検討することをお勧めします。
高さのあるものに注意する
道具を収納する棚や更衣室のロッカーなど、高さのある物は、
上部に毛髪や粉塵がたまりやすく、清掃が手間を要するだけでなく、
上から落ちたホコリなどが作業着や工具に混入する可能性もある点に注意が必要です。
作業現場や更衣室では、高さのある物の設置はできるだけ避けるべきです。
高さのあるロッカーや棚が不可避な場合でも、上部に傾斜を付けてみると良いでしょう。
これにより、ゴミのたまりを防ぎつつ、掃除も簡単に行えるようになります。
まとめ
ホコリがたまりにくい床の仕上げを施すことで、製造現場の環境を衛生的に保つのが容易になります。
これにより、掃除が簡略化されます。
また、製造現場で一日の終わりに水を使用して清掃を行う場合、
水の収集システムの配置や、水に耐える床材や壁材を検討することも役立ちます。
これらの工場の改装は、扱う材料や製品に依存し、
同じ業界の専門業者の豊富な実績を活用しながら、最適な方法を探求していくことが理想的です。
現場調査からお見積り提出までを無料で行っています。
工場・倉庫に関する些細なお困りごとでもお気軽にご相談ください。
ご連絡をお待ちしております